平成22年に大阪・ナニワで発生した事件は数多い。留置場内での究極の性交渉、JR車掌による防護無線のヒューズ抜き取り、幼い姉弟が亡くなった虐待…。大阪府警が摘発した事件を今一度振り返ってみた。
鉄道マンの誇りなく
乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故の教訓はどこへ-。JR西の現役社員が車両の安全装置を壊すという信じられない犯罪が22年7月、発覚した。
器物損壊と偽計業務妨害容疑で逮捕された、当時、JR西日本大阪支社天王寺車掌区の車掌だった藤田博和被告(49)。22年4月、車掌室に設置されている防護無線の予備電源からヒューズ1本を乗務中に抜き取って壊し、JR西の業務を妨害したとされる。
動機は、「職場が家から遠い」「人付き合いが苦手で昔から車掌の仕事が嫌だった」。会社への不満を並べ立てる藤田被告に、乗客の安全を最優先する“鉄道マン”の誇りはまるで感じられなかったという。
藤田被告は旧国鉄へ入社し、分割民営化した際に「接客が嫌」という理由でJR貨物での勤務を希望し、約4年間、出向。平成3年にJR西に復帰し、12年から天王寺車掌区で勤務していた。
自宅に近い京都への異動を訴えていたが、切符の確認や精算などで車内を巡回し、接客が求められる特急や急行での勤務は「希望しない」と伝えたという。