闇カジノ

「闇カジノ」に暴力団の陰 大阪・ミナミ潜入ルポ 産経新聞 2011/02/18 14:27

大阪府の橋下徹知事が誘致を主張しているのをきっかけにカジノに関する議論が盛んだが、大阪・ミナミなどの繁華街には、すでに違法カジノ店が存在している。そこには暴力団の影が見え隠れする。ミナミの雑居ビルにあった違法カジノ店の1つに潜入すると、そこに転落への入り口がみえた。

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カジノいかがですか
1月下旬、人通りがまばらになった未明の繁華街を1人で歩く記者に黒いスーツ姿の男が小声で話し掛けてきた。バカラゲームができる店だという。誘いに乗った。
店に連絡しているのか、男は携帯電話で話しながら古びた雑居ビルに案内した。最初の場所から数十メートルほどしか離れていない。
ビルの入り口に立っていた男とエレベーターを降りると、目の前には雑居ビルに不似合いな重厚なドアがあり、頭上には監視カメラがあった。男は無言。数秒待つと、ドアの鍵が解除された。違法カジノ店は日常のすぐそばにあった。
ドアが開くとすぐにもうひとつドアがあった。その先が“賭場”だった。中学校の教室ほどの広さで、緑色のバカラテーブルが4台。平日にもかかわらず20人ほどの客が座っていた。制服姿の若い女性がおしぼりを手に、「案内するので少し待ってください」という。酒と、たばこは無料だが、わずか数十秒で終わる1回のゲームの賭け金は最低でも1口3千円だった。ひっきりなしにゲームは繰り返されていた。1日で莫大(ばくだい)な金額が動くことが想像できた。
客には落ちついた雰囲気の中年男性もいれば、水商売風の派手な化粧をした女性、ホスト風の服装の男性もいる。ホスト風の男性は、流れるような手さばきでカードを操るディーラーの手をにらみつけていた。恰幅(かっぷく)のよい中年男性が不機嫌そうに1万円の札束をテーブルに投げ出し、チップにかえた。負けが込んでいるのだろうか。 危険な雰囲気だった。
「酔っぱらいすぎてるから今度にする」。店員に声をかけ、店を後にした。

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合法カジノ
ミナミにはバカラやスロット、ポーカーといった違法カジノ店が少なくない。常連客しか入れない店も多いというが、街角で客引きをする店もある。今回、紛れ込んだ店はそのタイプだったのだろう。
別の機会に数年前までミナミでバカラ賭博にはまり、計数千万円負けたという40代の男性店主に取材できた。男性は闇カジノについて、「金額が大きくて、最初に勝つとはまってしまう。でもトータルで客が勝つことはありえない。のめり込んだヤツはみんな転落していく」と危険性を口にした。「店には『トイチ』(10日で1割)や『明けイチ』(翌日に1割)の法外な金利のヤミ金もいる。熱くなって手を出して、蒸発したり風俗店に売られていった人間もいた」と話した。
これらの店は暴力団の資金源になっているとみられるが、多くは監視カメラや定期的な場所替えで摘発を逃れてきた。大阪府警のある捜査関係者は摘発の難しさを指摘した上で、「“捕まり役”の店員を捕まえても、背後関係が明らかになることはほとんどない。裏社会に金が流れるくらいなら、合法カジノができてもいいと思う」と話した。
しかし先の男性店主は、合法カジノができても闇カジノは消えないとみる。「繁華街から近い場所に作り、24時間営業にしないと、いつでもやりたい『中毒者』は闇の店でも通う」と話した。

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